A型エンジンの想い出...
garage nakamuraです。
前々回のブログの A型エンジンのパワーチェック! で こうば を始めた頃の事を想い出しました。
なんの触れ込みも無く始めましたから全然仕事も有りませんでした。
で、小さく ほんとに小さくですが雑誌に広告を載せ始めました。
エンジンの新規製作も勿論なのですが、ご自分で組みたい人の為のパーツの加工も出していました。
特にA型エンジンの場合はその当時はベースエンジンも1万円位で購入出来るようなそんな時期ですから、
自分で友達等と何とか成るかな?的な感覚だったんだと想います。
余り予算が無いのですが、A型エンジンでそこそこ回るエンジンが出来ないですか?
と来店してくれたお客さんがいらっしゃいました。
310サニーに載せると言う話でした。
予算を聞くと 私が組んだのでは予算オーバーとなってしまいますが、
一緒に来た友達は4AGに乗っていて、何度かエンジンを組んだ事が有ると話をしていたので、
それじゃあ、パーツと加工は私の所で揃えて組むのは友達に頼むと言うことでOKでしょう!
と成りました。
組み付けやバルタイの合わせ方等もちゃんとアドバイスしました。
その頃はサニトラのエンジンは降ろしてバラして有ったので試乗してもらうのは出来なかったのですが、
私のエンジンと殆ど同じと言いますか、シリンダーのボーリングも私の物より腕の良い加工屋さんでしたし、
ピストンのバルブリセスはフライスできっちり1発で綺麗に掘れていましたし、
バルブシート高さやスプリングの設定も私なりのデータが有りましたし、ちゃんと加工出来ていましたから、
私的には安心していました。
私のサニトラのピストンのバルブリセスなんて、ボール盤とリューターでガリガリでしたから...^^;
ポートもお客さんの方で削る事になっていて、研磨の途中で見せに持って来てくれたことも有ったのですが、
この辺で ちょっと難しいかな?とは想ったのですが、
もうちょっとここをこんな感じで削って下さい 的なアドバイスもちゃんとしました。
そんなこんなでエンジンが組み上がり、慣らしも終わりました。
と連絡を貰ってホットしたのを憶えて居ます。
ところが、どうもエンジンにパワーが無い様なのです...
最初に私が説明した頃は、9000回転とか最低でも8500回転位は回る筈ですと言っていたのですが、
8000回転も厳しい感じだそうです。
あ!エンジンは1400ベースの1470CCのエンジンです。
色々と付いているパーツの事なども聞いていて、
キャブはソレックスの44ミリ で タコ足はトラスト製の310サニー用 インマニが原田製だったと想います。
マフラーが50ミリなので、私は60ミリでしたからちょっと細いかも?とは言って有ったのですが...
特にキャブに関しては、フロートレヴェルのアドバイスもして有りましたし、
アウターベンチュリーのサイズも私はウェーバーでしたが、同じ38ミリを組んで居たようです。
電話でのやり取りでも始動性が悪いとか、途中で失火するとかの症状は無いそうです。
ただ、下の回転域からスムーズに乗れるのだとか...
私のサニトラの場合はデフのギヤ比が3.7と高いせいも有ったかも知れませんが、
パンパンに吹けた頃は5速(直結ギヤ比なので1.00です)1800回転以上回っていないとシフトダウンしないとアクセルは踏めませんでした。
(そのまま踏み込んで行くと、ギクシャクしてしまうと言う意味です)
どんなふうに良くないのか診せて貰えませんか?と言う事で実車を乗って来て貰いました。
到着した時の 音 を聞いた時点で何となく大人しいな?と感じました...
エンジンを組んだ友達も一緒だったのでエンジンルームを診せて貰いながら話を聞いて、
ちょっと運転させて貰いました。
走り出して直ぐに感じました!ホントに乗りやすい!低回転が楽!でも 上が回らないしパワー感がまるで無い...
決して調子が悪い訳ではないのですが、本来なら6000回転辺りから パーン♪ と もう一段盛り上がって来るはずのパンチが...
圧縮比もシートカットと面研とピストンリセスの割合で11.5に合わせて有りますから、
たとえマフラーが細いからと言っても一瞬だけでも(7000とか7500とか)勢いが出る筈なのですが、
まったくそれが無いです。(-_-;)
私のエンジンは降ろしてバラバラ状態ですから試乗して貰う事も出来ないので、
オーナーさんには言葉で説明する以外無いのですが、どうも上手く伝わらなかった様でした。
つまり、私の広告が誇大でホントはそんなに回らないし、パワーも出なかったんじゃないの?
と疑って居るような顔をされていました。笑)
帰られた後も私なりに色々と考えたのですが、
やっぱりポート加工周りが大きく影響していたんだろーな!?と...
ポートだけじゃなくて、インマニの入り口から燃焼室を回って排気ポートに抜けて行って(マフラーも関係しますが)
それがパワーを産み出している訳じゃないですか?
今の時代のエンジンじゃなくて、40年以上も前のヘッドですからA型にしてL型にしても
ポート研磨抜きではチューニングって考えられないエンジンですよね?
別に今のエンジンがポート研磨が必要ないなんて言ってませんよ!笑)
(現にRB26なんて相当変化が有ると感じていますから)
この時に、商売って難しいな?と感じたと同時に
俺はそれなりにやってたんだな!と...
(当たり前と言えばそれまでですが^^;)
エンジンって正直なんだと想うんです。
どんなに一生懸命に頑張ったからと言っても、
的を外した触り方では応えてくれないんですね!
又 どんなに高価なパーツを使ったからと言っても、
やる事やってないエンジンは直ぐに性能ダウンやトラブルが起きてしまう。
そして最後にどんなに良いエンジンでも乗り手の 腕 が悪いと直ぐに壊れてしまう。
パワーの出ているエンジンなら尚更...
エンジン破壊のメカニズムについて最近特に考えて居ます。
それでは、この辺で...
質問や判らない事が有る方はお気軽にメールを送って下さい。
自分の想いを伝えたいならば
正々堂々と真正面から向き合うことが大切な事なんだと感じています。
どうぞご理解のほど、宜しくお願いします。
管理人にメール の欄からアドレスを変更して頂ければ私に届きます。
(迷惑メールが多いのでご協力お願い致します)
メールを送って頂く際に、大まかな住所(市名や町名など)と、
お名前(苗字だけでも)くらいは教えて欲しいです。
例えば 茨城県常総市の中村と申します。とかね...笑)
もっと詳しく知りたい事や
理解できなかった事などございましたらお気軽にご連絡下さい。