2013年4月 のアーカイブ | garage-nakamuraのいやはや速い!

隼 ハヤブサ インジェクターテスト!

garage nakamuraです。

前回のブログの続きで 隼 ハヤブサ のインジェクターのテストの結果です。

 

>パワーが200馬力近いと言ってもそんなに吐出量は要らないだろうから1本の容量は小さいんだろうな?と想って居たんです。

と書いたのですが、テスターに掛けるまでは本とにそう想って居ました。

 

インジェクター本体も車の物と比べたら凄く小さいですし...

 

不噴射口は半円型に6ホールが2個配置されている12ホールタイプの物でした。

携帯のカメラでは写らないので画像は無いです。スンマセン...m(__)m

 

 

スロットルに付いているインジェクター全部をテストした訳では無くて、

プライマリー側(常時噴射)が1本とセカンダリー側(高回転&高負荷時に噴射)1本とランダムに選んでのテストでした。

 

プライマリーとセカンダリーで噴射量が違うのかな?と言う疑問も有ったので、あえてそう言う選び方でテストして貰いました。

結果は、プライマリーもセカンダリーも同じ容量のインジェクターでした。

 

この画像は、エンジン回転が1万回転の時の噴射状態のものです。

 

ここから実測の噴射量の話なのですが、

開弁率の低い下の方の噴射量を書き出してしまうと、

ちょっと複雑になって来てしまいますので、単純に全噴射の量だけ書きますね!

 

燃圧2.5キロの状態で、約270CC

 

燃圧3.0キロの場合で、約300CC

 

と言う計測結果でした。

テスターも使い慣れたお友達が、私の見ている目の前で何度となく慎重に正確に計測してくれた結果ですので信頼性抜群です!

 

上の数字をご覧になって、どう想います?

 

このインジェクターは4気筒の1340CCのエンジンに1気筒当たりツインで使われて居ると考えると?

車の感覚とはまるで違った設定になって居ると想われますよね?

 

例えば2本のインジェクターが全噴射した場合の量で考えると、

550CCとか600CCのインジェクターですと車のセッティングで言えばNAエンジンでは必要無くて、ターボエンジン用として捉えるのが普通ですよね。

 

1気筒あたり300CCちょい位のそれもNAエンジンに5500CCとか600CCの吐出量のインジェクターが何故必要なのか?

そこの部分が私が前回のブログで

 

>私なりの解釈になってしまいますが、とても凄い事なんじゃないかと感じて居ます。(^^)v

と書いた理由です。

 

やはりインジェクターは全噴射状態それに近い噴射率で使うべきパーツでは無いと言う事なのではないでしょうか...

 

4サイクルエンジンですから、インテークバルブが開いて空気とガスが燃焼室、シリンダーに入って行き、

その後インテークバルブが閉じる頃にはピストンが上昇しながら圧縮されて行って、

プラグから火が飛んで混合ガスが燃え始まる訳ですね。

 

その燃焼によって膨張したガスがピストンを押し下げ、そしてエキゾーストバルブが開きだして燃焼の済んだガスを排気ガスとして排気管(マフラー)に流していく訳ですよね。

 

あっけなく書いてしまいましたが、インテークバルブが開いて、ただ単にガソリンが燃焼室に入って行くのでは無く、

エンジン回転の上昇と共に噴射量も増えて行きますから、バルブが開く、圧縮が始まる

ガスが燃えてピストンを押し下げる、排気ガスとして排気管に流す。(こんなに単純な話では無いですが!^^;)

 

これらの一連の工程にもエンジンに拠って、最適な時期や場所が存在する訳です。

 

例えば、ガソリンの噴き始めは、ピストンがこの位置に有る時で、吹き終わりはピストンの位置がこの辺に来た時に!とかね...

 

車の雑誌によく書かれて居る様に、このエンジンのパワーはこれ位だからインジェクターはこれ位の容量の物で良いでしょう。

と有りますが、あれって インジェクターの全噴射状態の吐出量の話で有って、

その考えで話を進めると?

 

ピストンがバルブがどの位置に有ってもそんなの関係無く、のべつ幕無し噴射状態ですよね?...

 

隼のエンジンはノーマルの状態で最大パワー発生回転数が1万回転近い所に設定されていますが、

そう言う部分できちんとエンジンに仕事をさせる為には、のべつ幕無し噴射 では良い仕事は出来ないと言う事なんでしょうね?

 

噴射ガソリンを綺麗に燃焼させるだけでは無くて、どこの部分でどれ位入れれば燃焼効率が上がるとか、

又 ここの時期に燃焼室に入れる事が出来れば、ノック限界を上げられて、トルクも上がるとかね!(^^)v

 

そう言う考えの元に開発されたのが 直噴システム なんでしょうね?(パワーだけの話では無いですが)

1サイクルの間で複数回の噴射を直接 燃焼室(シリンダー)に噴けるシステムですから、自由度が増しますね?

 

私はまだ直噴システムは触った事が無いですし、今の仕事柄、これからもスロットルにインジェクターが付いている従来方式のやり方?が主流になるとは想うのですが、

今回のインジェクターテストのお陰で、又一つ選択肢&考え方が増えたと感じて居ます。

 

どんな形であれ、これからのセッティングに活かせて行ければな~!と意気込んで居ます。(^^)v

快くテストを引き受けて頂いた お友達に感謝です!m(__)m

 

それでは、この辺で...

 質問や判らない事が有る方はお気軽にメールを送って下さい。

 管理人にメール の欄からアドレスを変更して頂ければ私に届きます。

 (迷惑メールが多いのでご協力お願い致します)

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隼 ハヤブサ 純正ツイン インジェクタースロットル

garage nakamuraです。

隼 ハヤブサ エンジンの純正のインジェクタースロットルです。

 

このスロットルは2008年以降のエンジンに付いているスロットルのようです。まだ詳しくないので...^^;

 

画像の状態で(黒いパイプがガソリンパイプです)取り付けるようになって居ます。

バタフライ2枚見えますが、に見えるのがスロットルワイヤーが繋がっている通常のバタフライで、

手前側のバタフライは、エンジン回転や選択ギヤ、メインのスロットル開度によって、動く様に設定されているようです。

右側に見える黒いボックスサーボモーターになって居て、それをECUでコントロールしている様です。

 

 

例えば、低いギヤ比で(スピードが余り出ていない状態)アクセルを ガバ!っと開けても前側のバタフライが空気の入りを制限して急なトルク変動等が出ない様にして

ギクシャク感を抑える様な仕組みと言えば良いのでしょうか?

低速から高速までスムーズに走れる様にと言う配慮と言いますかコントロールなんでしょう。

 

 

 

 

で、このスロットルにはインジェクター2本ツイン インジェクターとなって居ます!

1本はメインスロットル直後のエンジンポートの直前にポートの向きに合わせてセットされています。

2本目のインジェクターは手前側のサーボモーターで動くバタフライの真下にセットされていますね。

 

こちらはセカンダリーと言うかたちで有る程度の高回転&高付加状態で吹き始めますから噴射されたガソリンは、

バタフライに直撃の形でポートに向かって行く様にセットされて居ます。

なるべく壁流にならないで燃焼室に入って行く様な配慮では無いかと想って居ます。

 

スロットルボディーもインジェクターもケイヒン製の刻印が有ります。

スペースの問題なのでしょうが、車のインジェクターと比べると、とても小さく出来ています!

 

初期型と呼ばれているエンジンが1298CCで後期型と呼ばれている現行型のエンジンが1340CCですから

パワーが200馬力近いと言ってもそんなに吐出量は要らないだろうから1本の容量は小さいんだろうな?と想って居たんです。

 

たまたま、インジェクターテスターを持っているお友達の所へ出向く用事が有りましたので、

事前に℡でお願いしておいて、噴射状態や噴射容量を確認させて貰いました。m(__)m

 

そしたら?

今まで車でやって来ていた事が、まったく通用しない様な結果が出ました!(ちょっと大げさかな?)

私なりの解釈になってしまいますが、とても凄い事なんじゃないかと感じて居ます。(^^)v

 

ちょっと長くなってしまいそうなので、この続きは次回と言う事で勘弁して下さい...^^;

 

 

 

それでは、この辺で...

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RB28のメタルについて考える?

garage nakamuraです。

現在オーバーホール中のRB28クランクメタルについて考えが纏まったのでこのブログをアップしています。

 

今回修理しているRB28HKSのステップ3キットが組み込んで有りまして、

水漏れで点検修理の筈が色々と上手くない部分が有って、ボーリング以外は作り直しの状態になってしまって居たのですが、

フルカウンターのクランクに組まれて居たメタル純正品のメタルでした。

 

5番の子メタルが回る寸前でピンジャーナルにも少し傷が入ってしまったのですが、

根本的に純正の親メタルを使って居た事が間違いでしたね...

 

別に純正のメタルが駄目と言う事では無いので誤解しないで下さいね!

このクランクに使うのは駄目だと言う事です。

 

と言うのは、画像を見て貰うと判ると想うのですが、

メインジャーナルオイル穴が2つともベアリングキャップ側に出ていますよね?

ノーマルベアリングキャップ側(ラダーフレーム側)に組み付けるノーマルメタルにはオイル溝は有りませんね?

 

ノーマルのクランクのオイル穴はH型と言って、通常は1番のジャーナルから1番のピンジャーナルへ、

2番のジャーナルが2番のピンジャーナルへオイルが流れる様にオイル穴が通って居ます。

 

このクランクは、1番と2番のジャーナルから1番のピンジャーナルへ別々にオイル穴が作られて居ます。

X型と呼ばれるオイル通路の作りになって居ます。

 

 

これは、兎に角 コンロッドメタル へオイルが途切れないように供給する為にこの様な作りになっている訳ですが、

溝無しのメタル側ジャーナルが回って来て居る時には殆どオイルが流れて行かない事になってしまいますから、

両側からオイルを送る作りになっていても意味が無いものになってしまいますね?...

 

オイルポンプが純正よりも容量の大きな物が付いていたのが不幸中の幸い?と言う事で

ブロックに穴が開くのは免れましたがメタルは交換になりますからジャーナル等の計測をしながらちょっと考えてしまいました...

 

と言うのは、当初は最近流行り?のACLのメタルを使う予定で考えて居たんです。

実際 販売しているメーカーさんでもX型のオイル通路のクランクを販売していますし、問題無く使えているんでしょう。

オイル溝も全周の4分の3割まで溝が入っていますから大丈夫なんだろうな?とは想うんです。

 

想うのですが、まだ詳しい実績が私には入って来ていませんので、間違い無い!とは断言出来ないんですね。

私のエンジンならば平気で使って塩梅を見るのですが、お客さんのエンジンですからそうも行きません。

 

それに、よ~く考えてみると?

コンロッドメタルにはエンジンが回りだしたら、どんな時でも常にオイルは流れていないと少しずつでは有っても必ずダメージが出始めると想うんですね...

 

イベントやレースに使うショートライフな頻繁にエンジンを開ける条件ならそれでも良いと想うのですが、

あくまで基本的にストリートで使うエンジンですから長持ちさせて上げたいんですよ!

と言う考えの元に今回は親メタルはニスモで行く事にしました。

 

ちなみにノーマルクランクノーマルオイルポンプならば、純正のキャップ側に溝の無いメタルの方が良いと想いませんか?

高回転で回っているクランクのオイル穴にオイルを押し込む為には高い油圧と沢山のオイル量が必要になりますよね?

H型のオイル穴でメタル両側にオイル溝が有るクランクだとメインギャラリーから入ったオイルが遠心力で反対側の溝に出てしまう場合も考えられますよね?

 

ノーマルはノーマルで考えられている訳ですね?...

 

今回はちょっとマニアックな話になってしまって、興味の無い方には?ばかりになってしまったかも知れませんが、

メタルトラブルで悩んだ経験の有る方には、う~ん、そうか!と言う方もいらっしゃるのでは?笑)

 

それでは、この辺で...

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