RB26ブローエンジンの恐怖?
garage nakamuraです。
現在オーバーホール作業を進めているRB26改RB28のブローエンジンに使うヘッドの画像です。
先日のブログでアップしたこれまたブロック部分のブローしたヘッドのバルブリフター穴のアップ画像です。
とり合えず加工前に綺麗にして気分を盛り上げる為に(笑)洗浄液にドブ漬けで外見はそれなりに綺麗になったんです。
なったんですが、リフター穴の中程に開いているオイルラインを見て下さい...
一見すると砂の様にも見えるゴミが有りますね?
これはクランクまわりから出たメタル関係の破片と言いますか、メタルが流れて粉々に成ったものがオイルポンプで送られて来たゴミですね。
カムジャーナルの受けのハウジング部分は余り傷が付かずに済んでいるのが幸いです。
ここの部分は加工が総て終われば改めて洗浄しますが、↑の様なゴミがオイルラインの隅々まで回り込んで居ます。
洗浄ガンでエアーで圧力を掛けながら白ガス等で洗いますが、それで総てのゴミが取れると思いますか?
当然取れるでしょ?取れるまで何時間も洗うんだから!
と言う方もいらっしゃるでしょう...
答えはNOでしょうね?
ヘッドには何箇所かメクラ栓が入っています。
これはメーカーでの製造段階で設計図に添って機械加工でオイルライン等を開けますが、
その工程が終わればメクラ栓を打ち込んでオイルが漏れ出さない様にする訳ですね。
数や形こそ違えど、どのエンジンでも必ずそう言う部分が有ります。
そこで、そのメクラ栓の形なのですが、圧入する先端の形状は若干テーパーに先細い形になっています。(私が見てきた物は!)
すると、例えば10ミリの太さのオイルラインに先の方が9ミリ位に先細りになったメクラ栓が入って行く訳ですね?<例えばですよ!
勘の良い方なら判ったと思うのですが、そのテーパーになっている先端の部分には隙間が出来る訳です。
大きなメタルゴミ等で有れば挟まりませんが、これが例えば0,05ミリ位の大きさだと簡単に潜り込んでしまいますね?
0,05ミリ位の大きさと言うのが、厄介なんですよ!
これに気が付かず一見綺麗に洗えた様に勘違いしてエンジンを組み上げてしまうと、
エンジンが動いている時に何かの拍子でオイルラインの中に流れ込んでしまったら?と考えると怖いですよね?<中には怖くない人も居るでしょうが!(ーー;)
こう言う理由からブローエンジンは敬遠されるのです...
画像のリフター穴の右側に見える様なメクラ栓も総て抜いて徹底的に洗浄します。
そう言う工程をせずに、知らずにエンジンを組んでしまうと?
何だか判らずに調子が出ないとか、短命なエンジンになってしまうんですね。
メクラ栓を抜くにも工具やノウハウが必要になって来ますし、圧力の掛かったオイルが流れる部分ですから新しくメクラ栓をセットするのもバリ等が中に入り込まないように神経を使う部分なんですね。
エンジンを作り直す際に総て新品パーツで作れるならばそれに越した事は無いですが、
手をいれる事によって
使える物に成るのであれば何とか使ってあげたいですね?
そう言う気持ちでエンジンともお客さんとも接しています。
まあ、中には理解しようとしない人も居ますけどね!^^;
それでは、この辺で...
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