RB28のメタルについて考える?
garage nakamuraです。
現在オーバーホール中のRB28のクランクメタルについて考えが纏まったのでこのブログをアップしています。
今回修理しているRB28はHKSのステップ3キットが組み込んで有りまして、
水漏れで点検修理の筈が色々と上手くない部分が有って、ボーリング以外は作り直しの状態になってしまって居たのですが、
フルカウンターのクランクに組まれて居たメタルが純正品のメタルでした。
5番の子メタルが回る寸前でピンジャーナルにも少し傷が入ってしまったのですが、
根本的に純正の親メタルを使って居た事が間違いでしたね...
別に純正のメタルが駄目と言う事では無いので誤解しないで下さいね!
このクランクに使うのは駄目だと言う事です。
と言うのは、画像を見て貰うと判ると想うのですが、
メインジャーナルのオイル穴が2つともベアリングキャップ側に出ていますよね?
ノーマルのベアリングキャップ側(ラダーフレーム側)に組み付けるノーマルメタルにはオイル溝は有りませんね?
ノーマルのクランクのオイル穴はH型と言って、通常は1番のジャーナルから1番のピンジャーナルへ、
2番のジャーナルが2番のピンジャーナルへオイルが流れる様にオイル穴が通って居ます。
このクランクは、1番と2番のジャーナルから1番のピンジャーナルへ別々にオイル穴が作られて居ます。
X型と呼ばれるオイル通路の作りになって居ます。
これは、兎に角 コンロッドメタル へオイルが途切れないように供給する為にこの様な作りになっている訳ですが、
溝無しのメタル側にジャーナルが回って来て居る時には殆どオイルが流れて行かない事になってしまいますから、
両側からオイルを送る作りになっていても意味が無いものになってしまいますね?...
オイルポンプが純正よりも容量の大きな物が付いていたのが不幸中の幸い?と言う事で
ブロックに穴が開くのは免れましたがメタルは交換になりますからジャーナル等の計測をしながらちょっと考えてしまいました...
と言うのは、当初は最近流行り?のACLのメタルを使う予定で考えて居たんです。
実際 販売しているメーカーさんでもX型のオイル通路のクランクを販売していますし、問題無く使えているんでしょう。
オイル溝も全周の4分の3割まで溝が入っていますから大丈夫なんだろうな?とは想うんです。
想うのですが、まだ詳しい実績が私には入って来ていませんので、間違い無い!とは断言出来ないんですね。
私のエンジンならば平気で使って塩梅を見るのですが、お客さんのエンジンですからそうも行きません。
それに、よ~く考えてみると?
コンロッドメタルにはエンジンが回りだしたら、どんな時でも常にオイルは流れていないと少しずつでは有っても必ずダメージが出始めると想うんですね...
イベントやレースに使うショートライフな頻繁にエンジンを開ける条件ならそれでも良いと想うのですが、
あくまで基本的にストリートで使うエンジンですから長持ちさせて上げたいんですよ!
と言う考えの元に今回は親メタルはニスモで行く事にしました。
ちなみにノーマルクランクのノーマルオイルポンプならば、純正のキャップ側に溝の無いメタルの方が良いと想いませんか?
高回転で回っているクランクのオイル穴にオイルを押し込む為には高い油圧と沢山のオイル量が必要になりますよね?
H型のオイル穴でメタル両側にオイル溝が有るクランクだとメインギャラリーから入ったオイルが遠心力で反対側の溝に出てしまう場合も考えられますよね?
ノーマルはノーマルで考えられている訳ですね?...
今回はちょっとマニアックな話になってしまって、興味の無い方には?ばかりになってしまったかも知れませんが、
メタルトラブルで悩んだ経験の有る方には、う~ん、そうか!と言う方もいらっしゃるのでは?笑)
それでは、この辺で...
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