クランクの熱処理深さは?
garage nakamuraです。
画像はクランクシャフト の熱処理での硬化層の深さが判る様に撮ったのですが判りますかね?
画像が悪くて見えね~よ!と言う方がいらっしゃるでしょうからちょっと説明させて頂きますね。^^;
このクランクは、RB26の純正品です。
7番ジ ャーナルから切断したものです。
フライホイールを加工したりする時に便利な様に旋盤にくわえる時に7番ジャーナルを残して切断して、
切断面を整える為にフライホイール側からくわえて端面を削って有ります。
ほぼ真上からの撮影になっていますが、大きい外周がフライホイールが付く部分ですね。
で、その内側の部分が今回のお題の部分です。
外側から数ミリの部分とその内側(中心に向かって)色が変わっていますね?
外側の方が光って居て、その内側は白っぽく見えて居ると思いますがどうですか?
旋盤の超硬バイトで削ると、本当に硬い部分が画像の様に光って削れる場合が有ります。
内側のちょっと白っぽい部分は硬さ的には外側よりも柔らかくなっていると想像出来ますし、
実際に削ってみてもそう言う手応えになります。
この光って居る部分が熱処理で焼入れをしたクランクジャーナルの硬化層部分です。
この熱処理された硬い硬化層の部分とその内側の柔らかい(硬化層部分よりはと言う意味です)部分でクランクシャフトが成り立っています。
表面の硬い部分はブロックやコンロッドのメタル関係と直接接する部分ですから(間にオイルが入りますが)硬く変形せずに又、磨耗も少なく成る様に、硬く変形しにくい様に硬度を上げて有る訳ですね。
しかし、クランク全体がまったく変形しない様に総て硬くしてしまうと?...
はい、そうですね!折れやすくなってしまいますね!
ただ硬いと言うのは、裏を返せば もろい と言う事に成る場合も有ります。
それを緩和する為に
ジャーナル部分等は変形しない様に硬度を上げて作っておいて、それでもクランクシャフトには曲げやねじり等、とても大きな力が掛かりますから、たわんでその力を逃がすように柔らかい部分も残して有る訳です。
変形しない様に 剛性(ごうせい)を持たせて作っては有りますが、先程も書いた通り、強大な力が掛かりますからある程度の変形はします。
その変形を元の形に戻そうとする力が 強度 になって居る訳ですね。
変形し難さが 剛性 で、元の形に戻ろうとする力が 強度 という感じで捉えて貰って良いと思います。
ここの部分大切な事なので今日何度も言っときます!<一度だけですが...^^;
エンジンを含めパーツの話の際によく 剛性 と言う言葉が出ますが、剛性だけでは無くて、強度の部分も忘れてはいけないと感じています。
最後にもう一度、画像を よ~く見て貰いたいのですが、硬化 層の深さが微妙に違って居る事に気が付きましたか?
上側と下側を比べると良く判りますよね?微妙に光って居る部分(硬化層)の厚みが違いますね!
当たりかハズレかと聞かれれば、これはハズレですね!(^.^)
それでは、この辺で...