NAエンジンでもピストンが溶けます。
garage nakamuraです。
画像はNAエンジンの溶けたピストンと電極が溶けて吹き飛んだプラグです。
トヨタのV8エンジンで型式は聞いたんですが忘れてしまいました。^^;
ちょっと前のクラウンに載っていた ハイメカツインカム と呼ばれていた頃のエンジンです。
私が組んだエンジンでは無くて、私は Motec の取り付けセッティングをやらせて貰ったエンジンです。
オフロードのダートラリー等のレースに使っている車両です。
ミッションは同じクラウンのオートマでRB26等に積まれているミッションとそっくりのトルクスプリット型のミッションです!
GTRが発売される前にトヨタですでに使っていたんですね?
見るまで知りませんでした...
数年前にセッティングも終わっていて、調子良く走っていたのですが、
テスト走行中突然壊れたと言う事で、ピストンを眺めながら原因究明です。
まず、トラブッているピストンの場所は左バンクの1番です。
状況は、3速5500rpm付近で、スピードはおよそ150キロ~160キロだったそうです。
トップランドが画像では欠けているように見えますが、欠けでは無くて溶けています。
セカンドランドからスカートにかけても総て欠けは無く、全体的に溶解です。
プラグも中心電極も外側電極も溶けて吹き飛ばされているような感じですね。
溶けているのは排気側です。
インテーク側、吸気側はノッキングの跡は見受けられませんし、スカートの当たりも かじり も無く良い感じです。
さて、これをどう見ますか?
普通はインジェクターはどうなの?と考えるかと思いますが、
インジェクターに関しては、アズニューを持っている所でテストして貰い噴射量計測の結果表も貰って来てあり、
私も見せて貰いましたがまず異常無しですね。
判りましたか?
電気ですね!
コイル周りはどうでしたか?との質問に
時々、壊れた気筒のカプラーが緩くて外れた時が有ったそうです...
ただ、壊れた時は外れてはいないけれど接触は悪い様だと...
決まりですね!
以前、ロータリーで有った、瞬断 による デトネーション だと断定出来ると思います。
インジェクターは規則正しく噴射しています。
数回転コイル部分の配線の接触が悪く失火していると仮定すると、
5500rpmですからそれなりのガソリンが噴射されている筈です(インジェクターはRB26のインジェクター使用です)
その後、振動等の具合でコイルに通電されるとプラグは火を飛ばしますね...
カプラーが外れてしまっていれば何事も無かったかも知れませんが、
プラグから火が飛んだ時期が従来の点火時期とはかけ離れて早い時期で有ると考えると?
V8エンジンの左バンク側、即ち排気側ですから傾きから考えてもガソリンが溜まってしまいがちな部分です。
ちなみにスカート部分が激しく齧って焼きつき状態になっているのは、
デトネーションによって、ピストン排気側のプロフィールが変形&溜まっていたガソリンによってシリンダーの潤滑不良の2点が重なっていると考えられます。
あなたの考えはどうでしたか?
私の考えが総て正しいとは考えていませんが、多分こういう事だと思っています。(^.^)
接触不良はとても怖い症状です!
それまで絶好調だったエンジンが車が一瞬で終わっちゃいます...
調子が良いから触らない方が良い等と思わずに常日頃からエンジンルームの清掃を心掛けて居ると思わぬトラブルから回避出来る時が有ります。
特にサーキット等を走ったり激しい走り?をした後は、愛車を労わってやるのが長持ちの秘訣の一つだと感じています。
今は時期的にもサーキットのタイムアタックシーズンですね!
自分の為だけで無く、一緒に走行される方の為にも点検はこまめに慎重にお願いします。(^_^)v
それでは、この辺で...
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